事例紹介

BEMS導入による空調システムの自動化で省エネを実現

銀行業株式会社福井銀行

所在地	福井県福井市順化1-1-1
従業員数	1226名
業種	銀行業
ご担当者名	大林智幸様

導入したサービス	省エネコンサルティングサービス
施工内容	BEMS導入
施工時期	2024年12月

今回は「株式会社福井銀行」様と取り組んだ、事務センタービルへのBEMS導入事例をご紹介します。

BEMSとは「Building Energy Management System（ビルディング・エネルギー・マネジメント・システム）」の略称で、ビル全体のエネルギー使用量を一元的に管理・分析し、自動制御によって室内環境とエネルギー性能を最適化します。このシステムの導入により、空調システムのエネルギー消費を抑え、快適な職場環境を実現したケースについて、経営管理グループの大林智幸様にお話を伺いました。

省エネコンサルティングの概要

2024年春　シミュレーションをもとに空調システムの省エネコンサルティング開始

2024年12月　事務センタービルにBEMSとセンサーを設置

お客様の事業内容

御法人の事業内容をお聞かせください。

大林氏：福井県を主な営業基盤とする地方銀行で、「地域まるごと支援」の考え方に基づき、幅広い金融商品・サービスの提供を通じて、地域経済の発展やお客様の暮らしに貢献することを目指しています。2026年5月には福邦銀行と合併し、県内最大のシェアを持つ銀行になります。

BEMSを導入した理由

今回、BEMSを事務センターに導入したきっかけをお聞かせください。

大林氏：弊行の事務センターは、中央管理室で空調のコントロールができるものの、管理者のいない状態が続いていました。事務センターは延べ床面積7360㎡の3階建てで、空調設備の台数が多く、執務エリアは複数の部署が一つに集まった大空間になっています。窓に近い場所や入口周辺は他の場所と室温のムラがあり、空調の調整が難しいことから、暑すぎる、寒すぎるというストレスが起きやすい状況でもありました。省エネの面でも、快適さの面でも改善が必要だと考え、空調メーカーに相談したものの、なかなかこれという解決法が見つからずにいました。そんなときに、AOIさんからBEMSをご提案いただいたのが導入のきっかけでした。

当初はBEMSにいいイメージがなかったそうですね？

大林氏：従来のBEMSは、電気使用量のデマンド値の上限に達すると空調が強制的にストップし、快適な室温が保てないというデメリットがあったからです。

しかし、今回AOIさんが提案してくださったBEMSは、大きいビルを持つ企業が積極的に導入している最新型。部屋ごとの温度をAIセンサーで感知してコントロールし、快適な温度に調整することが可能で、シミュレーションの数値もコスト削減が期待できる内容でした。さらに、導入された企業様の省エネの実績値や実際に働いている方の感想をお聞きし、ネガティブな要素を払しょくできたことが導入の後押しになりました。

環境への配慮やサステナビリティに関する御行の方針とも関連があるのでしょうか？

大林氏：福井銀行グループでは、サステナビリティ基本方針を定め、自行のCO2排出量（Scope1、2）を2030年度までに2013年度からマイナス70％、2050年度までにネット・ゼロという目標を掲げています。今回のBEMS導入は消費電力の削減に効果があり、CO2排出量削減の方針と関連していると言えます。

さらに、職員のウェルビーイングに対する取り組みにも力を入れているので、働く環境をより快適に整えるという点でも、効果的な導入だったと考えています。

工事の規模と工期

工事はどのようなスケジュールで進めましたか？

大林氏：工事は2024年の12月に行いました。大がかりな作業はなく、簡単な配線工事や各部屋に温度を感知するAIセンサーを取り付けるなどの小工事のみで、トータルで１週間もかかりませんでした。

工事にあたり要望されたことはありますか？

大林氏：職員の業務の負担にならないよう、できる限り人がいないときに工事をしてほしいと思っていました。しかし、こちらが要望を伝える前に、AOIさんから土日の工事を提案してくださり、業務への影響を最大限に抑えるスケジュールを組んでいただきました。

導入の効果について

導入後の効果はいかがでしたか？

大林氏：契約電力は導入前と比べ、30ｋW削減しました。これにより電気の基本料金で毎月約5.5万円、年間で66万円のコスト削減を実現しています。電気使用量は気温や天候に左右されるため、単純に比較するのは難しいですが、昨年と今年の天気と湿度が全く同じ日で比較したところ、約12％削減できていました。シミュレーションでは4年以内に費用を回収できる見込みでしたが、今のペースなら3年くらいでいけそうだと期待しています。

事務センターの職員の皆さんの反応はいかがですか？

大林氏：真夏と真冬に多少の温度調整を行いましたが、ほとんど自動で快適な室温に制御できていたため効果は絶大だと感じました。調整後は特に室温に対する相談はなかったので、快適だったのではないかと思います。室温の調整もシステムの管理会社に連絡すればすぐに対応していただけますし、メーカーのサポートがしっかりしているので安心感があります。

当社を選んで良かったこと

AOIエネルギーソリューションを選んで良かったことをお聞かせください。

大林氏：提案の内容はもちろん、こちらが稟議に必要な資料をお願いするとすぐに用意してくださるなど、対応の良さも際立っていました。特にAOIさんが作成したシミュレーションは、実際に導入した企業様の実績値で効果を示してあり、非常に分かりやすかったですね。このデータのおかげで稟議を申請する際の説明がしやすくなり、決裁までスムーズに進みました。

今回は事務センターに導入したBEMSですが、本店ビルの空調も苦情を聞くことがあるので、ゆくゆくは本店ビルの導入も検討できればと考えています。他にも省エネやCO2削減に向け、再エネ電気の購入、オフサイトPPAの導入を計画しており、将来的には支店の屋根に太陽光発電を載せる創エネにも取り組みたいと思っています。今後も積極的に環境への取り組みを行っていきたいので、AOIさんには引き続きいいご提案をお願いしたいですね。