LED導入とエアコンの交換で25%の節電を実現

事例紹介

LED導入とエアコンの交換で25%の節電を実現

製造業 株式会社オーディオテクニカフクイ

所在地 福井県越前市戸谷町87-1
従業員数 200名
業種 音響機器の設計・開発・生産
導入したサービス省エネコンサルティング
施工内容LED照明の導入とエアコンの交換
施工時期 2017~2022年

今回は「株式会社オーディオテクニカフクイ」様と取り組んだ、LED照明導入とエアコン交換による電力の大幅な削減の事例を紹介します。

約25%の電力削減を達成した工事の内容について、担当者の市橋政信さん(管理部総務課)にお話しをお伺いさせていただきました。

省エネコンサルティングの概要

照明

2017年8月 旧館の蛍光灯607灯をLEDに交換

2022年7月 新館の蛍光灯700灯をLEDに交換

エアコン

2018年5~7月 旧館のエアコン24台を交換

2019年5~9月 旧館のエアコン14台を交換

2021年7~8月 旧館のエアコン4台を交換

2022年2月   室外機の天井防雪メッシュの撤去

新たな降雪対策としてスノーセンサを設置

お客様の事業内容

御社の事業内容をお聞かせください。

市橋氏:レコードのカートリッジやマイクロホン、ヘッドホンなどを主に製造しています。

創業時から手がけているレコードのカートリッジは、全盛期(1980年代前半)に月産100万個に達し、世界シェアの過半数を誇る規模にまで達しました。

カラオケや会議用の赤外線マイクは日本のトップシェアで、日本国内のカラオケマイク過半数以上がオーディオテクニカフクイで設計・生産されています。

▼オーディオテクニカフクイ様の製品(抜粋)

ポータブルレコードプレーヤー
サウンドバーガー
ワイヤレスマイクロホン
世界初「軟骨伝導」ヘッドホン ATH-CC500BT

省エネコンサルティングを導入した理由

御社で積極的に「電力削減」の施策に取り組む理由を教えてください。

市橋氏:弊社では2017年からカーボンニュートラルに向けた取り組みを積極的に行っています。環境負荷の軽減や持続可能な社会づくりへの意識の高まりを受けて、最初は工場の屋根に太陽光発電を付ける創エネを検討しました。しかし、背後に山がそびえる立地や日照時間が少ない福井の気候、社屋の屋根の形状などの条件が太陽光発電に向かないことから、電力の削減をテーマとしました。

製造業の企業様にとって電力の削減は、SDGsの推進とコスト削減を図れる重要なテーマのひとつです。御社ではどのようなプランを計画されたのですか?

市橋氏:最初にAOIさんをはじめ、電力会社や空調メーカーにご協力いただいて社内の使用電力量の分析を行ったのですが、照明と空調、特に暖房の電力消費量が多いことが分かりました。

弊社の社屋には築50年超の旧館と2010年築の新館がありますが、旧館は未だに古いタイプの蛍光灯を使っている場所もある状態でした。新館も全館蛍光灯だったものの、こちらは新しいタイプの蛍光灯ですぐに取り換える必要がなかったため、まずは節電効果の大きい旧館から交換していくことを提案していただきました。

また、旧館のエアコンもフロンガスR22を使用している旧式で、入れ替え時期を考えていたこともあり、AOIさんに相談して設置15年以上が経過したエアコンはR32.R410A冷ばいタイプに交換する計画も進めることにしました。

数ある業者からAOIエネルギーソリューションに決めていただいた理由を教えていただけますか?

市橋氏:AOIエネルギーソリューションさんには以前に省エネ対策のご提案をいただいており、それを思い出してご連絡したのがお付き合いの始まりでした。

旧館のLED交換工事にあたり3社に見積をお願いしましたが、一番返答が早く、内容の面でも申し分なかったのがAOIさんでした。

現地調査にも工事の担当者さんが同行してくれ、器具の選定も私たち目線でしっかりと説明してくださったので安心感がありました。節電効果の詳細をまとめた提案資料も分かりやすく、社内への説明もしやすくありがたかったです。

工事の規模と工期

数年かけての大規模な工事になりましたが工期の詳細を教えてください。

市橋氏:まず2017年に旧館のLED交換に着手し、2018年にエアコン24基の交換を行いました。エアコンは壊れる前の予防措置的なものでしたが、交換後の消費電力の下がり方が大きかったことから2019年、2021年にも古いものを取り換え、社内の約半分となる合計42基のエアコンを交換しました。LED交換は2022年に新館の照明をLEDに交換し、約5年かけて全ての入れ替えを行いました。

工事にあたって(弊社に)ご要望いただいた件についてお聞かせください

市橋氏:こちらからは仕事の手を止めずに工事を進めたいと要望しました。最初のLED交換工事は8月の休日を利用した1ヵ月間(8作業日)の予定で、私としては少し無茶なお願いだったかもと思っていたのですが、実際に工事に入ると予想より早い5日間で工事が完了しました。おかげさまで業務への影響は全く出ませんでした。

今回のLED交換の工事で調整に苦労したことはありましたか?

市橋氏:社内で生産される製品や部品の外観検査など、明るさや光の色が指定されている場所がありますので、機種選定が大変でしたね。

AOIさんにその話をしたところ、導入前にいくつかデモ機を実際に社内に設置して頂いてテストし、問題なく作業できるかを現場の社員に確認する機会を作ってくださいました。

また弊社で生産しています音響製品は、時代とともにワイヤレス化され電波や赤外線通信機器が増えている関係上、LED照明をドライブする回路から発する高周波ノイズがあると、生産に支障をきたす事になりますので、事前に設置して頂いたLED照明のデモ機で測定する事が出来て、不安要素は工事までにすべて解決する事が出来ました。

エアコンについてはいかがでしょう?

市橋氏:新館で冷暖房の効きが悪いという問題を永く抱えていましたが、室外機の上に取り付けた防雪ネットによってショートサーキット※が起きている事を発見いただいた時は大変助かりました。対策としてネットを取り外し、降雪時にファンを回して室外機にかかる雪を風で飛ばす降雪センサーを設置する対策を施していただき、冷暖房の効きがかなり改善されました。

※ショートサーキットとは…空調の効率の低下や換気不足の原因となる現象。給気口と排気口が近すぎて、ファンは回っているのに空気が狭い範囲でしか循環しない状態。

防雪ネットを取り外した状態の室外機
降雪時はファンを回して室外機にかかる雪を風で飛ばす降雪センサーを設置。

防雪ネットがある状態の室外機
冷暖房の効きが悪いという苦情が来ていた。

節電効果について

今回、省エネコンサルティングの導入によって約25%の電力削減を実現したとうかがいました。社内外の反応はいかがですか?

市橋氏:最初は半信半疑で、そこまで変わるのかという気持ちでしたが、実際に工事をしてみるとAOIさんの提案よりも効果が大きかったのには驚きました。

弊社のホームページで結果を公表していますが、工事前の2016年と2022年7月の工事終了後を比較すると27%電力消費量が下がっています。現在は電力価格が高騰しているので、照明の全LED化と効率の悪い古いエアコンの交換をしていなければ、今ごろ恐ろしい請求額が来ていたと思います。発注時期も資材不足でエアコンやLED照明といった機材入荷が不安定になる前だったので、いいタイミングで交換できました。 設備交換だけで25%の節電を実現した企業は少ないようで、ホームページの情報を見て話を聞きたいという問い合わせを時々いただいています。特に北陸の製造業は積雪時の暖房費が大きいので、対策のノウハウを知りたいという声が多いですね。

節電以外にも今回の工事によるメリットはありましたか?

市橋氏:新館の2階にある技術のフロアでは、デスクライトで照度を稼いでいる状態で、蛍光灯が古くなって暗いという声が上がるようになっていました。それに応えて少し明るめに照度計算をしてLEDに交換してからは、デスクライトなしで作業ができるようになり、仕事がしやすくなったと喜ばれています。

エアコンも旧館の方は社内の人の動きに合わせて一部配置を変えたので、以前よりも冷暖房効率のいい環境になっています。新館の室外機対策も含め、暑い、寒いといった苦情が出なくなりました。

当社を選んで良かったこと

AOIエネルギーソリューションを選んで良かったことをお聞かせください。

市橋氏:こちらの立場で考えた提案や対応をしてくださるのと、困ったことがあればすぐに飛んできてくれるのが心強いですね。施工担当の電気設備会社も弊社から見えるくらい近く、AOIさんにLINEすると1分後には電話がかかってくるルーティンが出来上っています。地元企業ならではのネットワークとフットワークの良さが活かされていると感じています。

今回の工事でチームが出来上っているので、今後もAOIさんとはかかりつけ医のような感覚でお付き合いしていきたいですね。担当の方も困っていることに対して何かアクションを起こそうという姿勢で対応してくれるので、頼れる相談窓口になっていただければと思います。

最後に市橋様とツーショット。
この部屋はメンテナンスされた年代物のオーディオ機器が数多くあり、オーディオテクニカフクイ様の音に対するこだわりを感じます。