| 導入したサービス | LPガス非常用発電機 |
| 施工内容 | LPガス非常用発電機設置、およびガス配管・電気工事 |
| 施工時期 | 2024年11月~2025年1月 |
今回は「社会福祉法人 福聚会」様と取り組んだ、特別養護老人ホーム「宝珠苑」へのLPガス非常用発電機の導入事例をご紹介します。
自然災害や感染症などの緊急事態が発生した場合の事業継続や早期復旧の体制などをまとめたBCP(業務継続計画)の策定を受け、ライフライン確保のために非常用電源を設置したケースについて、施設長の齊藤誠様にお話をお伺いしました。
LPガス非常用発電機導入の概要
2024年5月 「自衛的燃料備蓄補助金」の申請
2024年11~12月 配線・配管などの工事を段階的に開始
2025年1月 LPガス非常用発電機設置工事完了
お客様の事業内容
御法人の事業内容をお聞かせください。

齊藤氏:私たちは福井市の川西エリアを拠点に、特別養護老人ホームやグループホーム、デイサービスなどの介護施設を運営しています。厚生労働省の「くるみん」認定を受けた子育てサポート企業でもあり、職員の健康を重視した働きやすい職場づくりを通じて、心温まる質の高い介護の実現を目指しています。
LPガス非常用発電機を導入した理由
今回、LPガス非常用発電機を導入したきっかけをお聞かせください。
齊藤氏:日本各地でさまざまな自然災害が起きていますが、当施設も他人事ではありません。施設の周辺には河川があり、ハザードマップによれば決壊時には約3mの水位になると予測されています。避難訓練では火災や地震だけでなく、水害に対応した訓練も加え、万が一に備える努力をしてきました。
その中で、災害時に電源を喪失した場合の対応という課題が浮かび上がり、設備メーカーのセミナーで非常時の電源確保の対策について学んだことが、LPガス非常用発電機を知るきっかけになりました。
実際に導入を決めたのは、2024年1月に当施設のBCP(業務継続計画)策定を行い、計画に沿った取り組みを始めた頃でした。ちょうど同じタイミングでAOIさんよりLPガス非常用発電機をご提案いただき、プレゼンの内容も納得できるものだったので全面的にお任せすることにしました。
非常時の電源の確保は、福祉業界全体の課題でもあるのでしょうか。
齊藤氏:その通りです。介護保険法施行規則が改正され、2024年4月から福祉施設でのBCP策定が義務化されました。自然災害や感染症の流行、突発的な停電といった緊急事態が発生した際に、人員・飲食物・衛生用品・冷暖房設備などをどのように確保するかを明確に定めなくてはなりません。福祉施設は自力での避難が難しい方も多いので、利用者様の命を守るための行動計画とも言えます。
近年の自然災害は規模が大きくなっており、災害に弱い施設では、利用者様とそのご家族だけでなく、職員も安心できないでしょう。特に真夏や真冬の気温が厳しい時期の停電は、体調にも悪影響を及ぼします。私たちは、施設に関わる人みんなにとっての安心、安全を追求するためにも、非常用発電機の導入は欠かせないと考えています。
工事の規模と工期
工事はどのようなスケジュールで進めましたか?
齊藤氏:2024年の5月に補助金の申請を開始し、10月に交付が決定しました。それから発電機を設置する場所の基礎工事を行い、11~翌年1月にかけて設置工事を行いました。
工事は最終的に停電して行う作業が発生するため、配線やガス管の工事を少しずつ段階的に進め、停電時間を最小限に抑えるスケジュールを組んでいただきました。停電になる作業は、利用者様が眠っている夜間に作業を調整していただくなど、こちらの状況にきめ細かく配慮していただいたので、3時間ほどで工事を終えることができました。


導入の効果について
非常時に発電された電気は、どのように使われるのでしょうか?
齊藤氏:発電機は連続で72時間使用でき、ガスの供給があれば半永久的に発電が可能な仕組みになっています。非常時に電気が供給されるのは、エレベーターや1階と2階にある食堂の空調・照明・コンセントなどの共用部と、スプリンクラーやポンプ関係です。さらに現場のスタッフの声を聞き、事務所やケアマネージャーのオフィスなど、一部エリアのコンセントも使えるようにしました。
利用者様のお部屋すべてというのも一つの案だと思いますが、職員の手も限られている中で安全に待機する場合、当施設では基本的に食堂に集まることを想定しています。当施設ではAOIさんのアドバイスを受け、必要な場所に電力の供給を絞る方法を選択しました。
導入後の職員の意識に変化はありましたか?
齊藤氏:私は利用者様の安心安全につながるだけでなく、職員一人ひとりの幸せにもつながる取り組みだと伝えました。人によって意識の差は違うかもしれませんが、「災害に強い職場だ」という認識は持ってもらえたと思います。
先日、エレベーターが使えない状況を想定した避難訓練を行った際、職員から発電機について質問を受け、私もいろいろ考えさせられました。停電時には自動的に非常用電源に切り替わるので、職員の負担はありません。しかし、知識として装置の使い方は頭に入れおかないといけないと感じています。
また、このたびの導入を機に他部署の職員からも非常用発電機導入の要望があり、グループホームとデイサービスセンターにポータブル発電機を導入しました。もしものときに備えることで、職員全体の防災意識の向上にも効果があったと実感しています。
当社を選んで良かったこと
AOIエネルギーソリューションを選んで良かったことをお聞かせください。
齊藤氏:AOIさんは地元では長年の実績があり、担当者の方には、導入スケジュールの調整やプランの変更にも柔軟に対応していただき非常に良かったですね。特に補助金の申請は書類作成が複雑で、当施設の担当だけではお手上げだったと思います。通常の業務もある中での申請作業だったので、AOIさんが全面的にバックアップしてくださったのが心強かったです。
アフターフォローの満足度はいかがでしょうか?
齊藤氏:発電機本体には自己診断機能があり、1週間に1度、自動で少しの間稼働させ、異常がないかを点検するようプログラムされています。さらにAOIさんのメンテナンスパックも利用し、毎年作業員による定期点検を行い、最適な状態を保つ体制を整えています。メーカーサポートを含め、導入後のフォローがしっかりしているので安心感がありますね。
今後の省エネへの取り組みはどのように展望していますか?
齊藤氏:施設の一部でまだLEDになっていない照明や給湯設備の入れ替えが補助金の対象になるとご提案をいただき、またAOIさんに申請のサポートから工事までトータルでお願いしているところです。
AOIさんは私たちの立場に寄り添って最適なものをコンサルティングしてくださるので、今後もプロの目で見て必要なものがあれば教えていただきたいですね。
齊藤様、この度はインタビューにご協力いただきありがとうございました!
